2022/08/21

新しい保育イニシアチブ2022
保育者と保護者の新しい関係性
「パートナーシップ」頒布資料

本パネルでは、東京大学情報学環山内祐平研究室における、ぬくもりのおうち保育株式会社からの助成研究に関する成果についてご紹介いたします。この助成研究では、昨今欧米の保育領域で隆盛している「パートナーシップ」に着目した研究を2021年度より実施いたしました。これらの助成研究の成果についてここにご共有いたします。内容につきましては、より皆様の保育に資することを目的として、無料および無断でご使用いただけます(営利目的を除く)。ご興味のあられます方は是非ご自身やご自身の勤務されておられます施設などで利用していただけますと幸甚と存じます。

ご共有内容の詳細につきましては、本パネルの講演にてご説明いたします。

研究成果1

パートナーシップに関する研修

助成研究では保育者のパートナーシップに関する考え方や態度を向上させることを目的とした研修教材を作成いたしました。本研修はオンライン上で一人でもできるように作成されておりますので是非貴園でのパートナーシップ定着のためにご活用ください。研修は下記リンクボタンもしくは右記のQRコードより実施することができます。

研修用教材

研究成果2

RASP(Partnership Attitude Scale for Parents: 保護者へのパートナーシップ態度尺度)

助成研究では、保育者が保護者とのパートナーシップをどの程度大事に思っているのかについて測定するためのアンケート尺度を新しく作成いたしました。この尺度ではパートナーシップ的態度のスコアおよびソーシャルワーク的態度(支援を基礎にする旧来から日本の保育では重視されていた保育者の態度)のスコアを算出することができます。尺度を試してみたい方はリンクボタンもしくは右記のQRコードより実施することができます。

保護者へのパートナーシップ態度尺度

本資料はぬくもりのおうち保育株式会社の助成によって東京大学大学院情報学環の研究チームによって作成されたものです。また本資料の著作権は東京大学に帰属しています。無断での転載はお断りいたします。

コメント

〇東京大学大学院 情報学環・学際情報学府
 情報学環長・学際情報学府長 山内 祐平 先生

この教材は、ぬくもりのおうち保育株式会社の助成によって、今後教育の大きなトレンドとなるであろう「パートナーシップ」の考え方について、オンラインで学べるよう作成したものです。園でおこなわれる対面研修の補助教材として活用いただき、それぞれの園において保護者とともに歩む保育のあり方についてご検討いただければ幸いです。

〇東京大学大学院 教育学研究科附属発達保育実践政策学センター
 准教授 野澤 祥子 先生

保護者との関係性は子育て支援の文脈で語られることが多いですが、近年、保育者と保護者の「パートナーシップ」という考え方が国際的に着目されています。共に子どもの育ちを支えるパートナーとしての関係性を築くためには、どのようなことが必要なのでしょうか。本教材では、パートナーシップの考え方や実践事例について解説しています。保護者との関係性や関わりについて改めて考えるきっかけとしていただけたらと思います。

〇愛知淑徳大学 人間情報学部 人間情報学科
 教授 佐藤 朋美 先生

子どもの保育にやり甲斐を感じている先生でも、保護者への対応は大きな課題になることもあるのではないでしょうか。本教材では、保護者との「連携」、さらには「パートナーシップ」の構築までの考え方や実践例を紹介しています。海外の先進的な「対等なパートナーシップ」の概念をそのまま導入することは難しいかもしれませんが、自園に引きつけながら検討していくことで、保護者との関係性の構築の一助にして頂ければと思います。

〇東京大学 大学院情報学環 学際情報学圏
 特任助教 城戸 楓 先生

「パートナーシップ」のように保護者を保育に巻き込むというと、保護者の事情の考慮や働きかけなどの余計な労力がかかるのではとお考えになるかもしれません。しかしパートナーシップは元来、医療・福祉の分野で発展した考え方であり、目的の一つに専門家の労力を削減するということがあります。本研修によって、保護者が自ら進んで保育に参加できるようなよりよい保育環境についての検討の一助になりますと幸いです。

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