研究概要
2019年に発生した新型コロナウィルス症候群(以下、COVID-19)は、今までの我々の暮らしや常識を大きく変えてしまいました。それは保育においても同じです。NECQAでは保育者と保護者の双方の観点から、COVID-19が保育現場にどのような変化をもたらしたのか、そしてwithコロナと呼ばれるこれからの時代にどのような保育の在り方が求められるのかを模索するため、以下のような研究を実施しています。
ご協力いただける方は、下記NECQAまでご連絡いただけますと幸甚です。
COVID-19以降、保育施設では感染症対策として、これまでに行われてこなかったような新しい取り組み(登園時の検温や持ち込み品の制限やソーシャルディスタンスへの配慮など)が様々に行われるようになりました。この項目では、何がCOVID-19以後に変わって、それが現在の保育施設で働く人々にどのような影響をもたらしているのかについて、より具体的に調査を行うことを予定しています。
感染症対策に配慮した新しい保育の取り組みは、人と人との関わる機会を減少させる可能性があります。保育施設は子どもの社会性を発達させる場所であり、この時期に他者と関わることは非常に重要です。新しい保育の取り組みによって、子どもの社会性はどのように変化しているのでしょうか?ソーシャルディスタンスを意識した遊び方や、保育者のマスクの着用などにより、子どもの社会性の発達に影響があるかもしれません。そこでCOVID-19以降の保育の取り組みが、子どもの人と関わる力にどのように影響しているのかを調査していこうと考えております。
またCOVID-19への対策や対応に取り組む中で、今までの日常を過ごしたり保育を展開することが難しくなっていることと察します。このような状況の中で保育者自身がストレスフルな状況になっているのではないかと考え、そのストレスを軽減できるような支援策が今後求められるのではないかと想定しております。よって、現在COVID-19への対策や対応をとりながらの保育において、どのような事柄が最も保育士のストレスに影響しているのかを明らかにし、今後の保育者におけるストレスマネジメントを検討する研究も行ってまいりたいと考えています。
保護者の方がどの程度感染症対策を求められているのかを知ることは、保育施設にとっても大変有益なことであろうと思われます。保護者は時に要望の多い、一見するとクレーマーのように保育施設側からは受け取られるような言動を行うことがあるかもしれません。しかしこの根幹には、子どもの安全への危惧や思いが背景に隠れていることもあり、「今」保護者の方は保育施設に何を求めているのかについて、2のCOVID-19のリスクイメージと関連させながら調査・考察を予定しています。