保育者・保護者1万人
アンケート特設サイト

より良い保育環境を日本中に広げよう。

アンケート調査に協力(対象:保育施設運営会社)

保育者・保護者1万人アンケートに協力いただける
「賛同保育所」を募集します

私たちNECQA(保育士と保育の質に関する研究会)は、保育士の働きがいと保護者満足度の関係性を明らかにするために設立された研究会です。
2021年7月、全国の保育所で働く「保育者」と子どもを預ける「保護者」、それぞれ1万人に対して大規模アンケートを実施します。日本の保育全体の質の向上を目指す本研究に賛同し、アンケートに協力いただける保育所関係者の皆様は、ぜひご登録ください。

なぜこの研究を行うのか

なぜこの研究を行うのか

2015年の「子ども子育て新制度」への移行、2018年の保育指針、幼稚園教育要領等トリプル改訂の実施、2019年の幼児教育の無償化など、この数年間の保育を取り巻く社会環境は大きく変化しています。また同時に待機児童と保育士不足、保育者の処遇改善や働き方改革など、制度面だけでなく実際に保育を行う保育者もふくめた保育全体で取り組むべき問題が顕著化しています。
そのような中で保育のあり方自体が検討され、特に最も根本的な「保育の質」についての議論が大きくなっています。保育の営みの根底は「子どもの最善の利益の担保」と言えますが、その前提条件として近年様々な要因が指摘されています。保育者の働き方や労働条件、保育室の物的環境や職員間の人間関係、保育制度などです。
これら様々な観点から、これからの時代の「保育の質」についての検討やその要因を明らかにし、そのことによりより良い保育の実践と保育全体の質の向上を目指していく取り組みが、社会全体から求められてます。

この調査で実現したい保育の未来

この調査で実現したい保育の未来

野澤 洋子

東京大学大学院教育学研究科 准教授

私には中学3年生の息子と小2の娘がいます。一人の保護者として、園の先生方に子育てや子育てと仕事の両立を支えていただいたことを心から感謝しています。研究者として子どもの発達や保育についての知識はもっていたものの、実際の子育てや仕事と子育ての両立は決して容易ではありませんでした。慌ただしくしている中で、日々、担任の先生が「いってらっしゃい」と温かく送り出して下さったこと、子どもが園で安心して楽しく過ごせていたことが大きな支えとなりました。

このように保護者としての私の経験では、園の存在はとても心強いものでした。また、働く保護者を支える園は、社会にとって不可欠であることは確かだと思います。しかし、OECDの国際比較調査によると、日本の保育者は、調査に参加した他の国の保育者と比べて、社会や保護者に高く評価されていると認識する割合が低いことが示されています。日本人が一般的に謙虚に評価するということが影響しているかもしれませんが、実際に保護者からの評価が高くないという状況を反映している可能性も考えられます。もしかしたら、保護者は高く評価しているのに、保育者にそれが伝わっていないのかもしれません。

発達心理学者のブロンフェンブレナーは、子どもの発達に対して、保育者と保護者といった子どもを取り巻く大人同士の関係性が影響を与える可能性を指摘しています。保育所保育指針でも家庭との連携の大切さが述べられています。保育者と保護者が共に子どもを育てるパートナーとして信頼関係を築くことが、子どものウェルビーイングや発達にとって重要な意味をもつ可能性が考えられます。

しかし、一方で、上記の調査結果からも示唆されるように、保護者と保育者の関係性には難しさや複雑さもあるのではないかと思います。本調査では、保護者と保育者、双方の認識を調査し、その関連性を検討します。保護者と保育者がよりよい関係を築くためのヒントとなるような知見を得ることができたらと考えています。

ご協力、よろしくお願いいたします。

保育は子どもたちの育ちを豊かに、確かなものにします。

保育は子どもたちの育ちを豊かに、
確かなものにします。

子どもたち、そして保護者・保育士のみなさまの笑顔が溢れる、より良い保育のあり方を目指して、取り組んでいきましょう。

賛同保育所募集

本調査では、保育者1万人・保護者1万人に対してアンケートを実施します。
そのためには、全国の保育施設関係者の皆様のご協力が不可欠です。
日本の保育の未来のために、ご協力のほどお願いいたします。

登録〜調査の流れ
  • 2021年7月〜9月

    登録フォームから
    団体登録

  • 2021年10月〜

    登録いただいた
    保育園に調査票を配布

  • 〜2021年12月末

    調査票の回収

ご賛同いただいている
保育所運営組織

  • ぬくもりのおうち保育株式会社

    ぬくもりのおうち保育株式会社

保育への思い

本研究に携わる研究員一人一人の思いをご紹介します。

  • 小﨑 恭弘

    小﨑 恭弘

    大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育コース 教授

    近年の保育を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。2015年の子ども子育て新制度の開始、2018年の保育指針をはじめとするトリプル改訂、2019年の幼児教育の無償化の実施、そして2020年の少子化社会対策大綱に基づく新しい政策の取り組みなど。大きなものだけでもこのように列挙できますし、より詳細なものまで含めると毎年何かしらの取り組みがなされています。
    それだけ社会全体が変化の大きな波にさらされ、その変化に保育自体も対応しようとしている一つの表れであると思います。このことは換言すれば「変化なき保育」が、許されない時代と社会の到来ということです。保育の営みは当然の如く、目前の子どもの尊厳と育ちを守る活動がその根底にあり、それらをベースとして展開されるものです。そしてその子どもの尊厳と育ちというものは、急激に変化したり、また以前と全く異なる形を突然に作り出したりするものではありません。人としての子どもたちの成長や生活の営みは、日々の丁寧な環境の中で一人一人に適切に対応する保育者や周りの人々の関わりにより作り上げられるものなのです。
    社会の大きな変化と日々変わらない子ども達の生活の間に立つ保育者は、その二律背反のなかで多くの葛藤や矛盾を感じています。その葛藤や矛盾を単なる「一現場の問題」として放置するのではなく、社会全体で対応していきたいという思いからこの研究は始まっています。
    子ども達と共に生活する保育者の思いをその中心に据え、その保育に対する意識や取り組み、また保育という業務や活動に対する満足度を理解したいと思います。そしてそれらと保育施設の環境や保護者の思いなどともに、総合的に捉えることにより、我が国における保育全体の質的向上を目指していきたいと考えています。
    日々の保育の営み一つ一つはとても小さなものかもしれませんが、それらが未来に対して与える影響は決して小さなものではありません。保育を通じてこの国の未来を丁寧に作り上げていきたいと思います。皆様のご協力をぜひお願いいたします。
  • 瀧川 光治

    瀧川 光治

    大阪総合保育大学 教授

    「研究」という言葉を聞くと、難しそうで敷居が高いようなイメージがあるかもしれません。そして、保育現場や保護者の方にとっては、自分とはあまり関係ないと思われることも多いでしょう。しかし、本研究に参加することで大人数のアンケート結果として、保育者や保護者の思いを見える化(可視化)することができ、有益で役立つものになると思います。
    特に保育士一人ひとりの思いと保護者一人ひとりの思いがたくさん集まることの、最大公約数としては、“最も大切なことが見えてくること”でしょう。逆に、思いのバラツキが大きいものは、“一つのことが大切”なのではなく、“幅をもって多様性を捉えていくことが大切”なのだということが見えてくるのです。
    この“大切なこと”が見えてくることによって、これからの保育現場や保護者の方にとって、どのようなことに重点を置き、保育をしていくべきかが整理されていきます。
    例えば、保育士が当たり前に思えることをきちんと丁寧にしていくことも、保護者とは違った視点で子どもの育ちを支えていることも、園として保育の質の向上に取り組んでいることも、全て保育の専門性に関わり、大切なことであると明らかにできるでしょう。
    保護者がお子さんの育ちの上で大切にされていることや、園の保育をどのように感じているかについても、個人的な意見としてではなく、より説得力が増すのです。
    本研究で行う、大人数アンケートは少人数の回答傾向よりも多くの方の回答傾向を踏まえることができ、的確な結果が見えてくると考えています。
    本研究としてはご回答いただいたご意見を踏まえて、説得力のある知見をより広く情報発信していきたいと思っています。その為にも、皆さんの力が必要です。
    どうぞ、ご協力よろしくお願いいたします。
  • 田辺 昌吾

    田辺 昌吾

    四天王寺大学教育学部 准教授

    『園は家庭との緊密な連携の下に子どもの育ちを支える。』
    このごく当たり前のように思える園の役割の中には、園と家庭が相互に影響を及ぼしあって保育を展開するという重要な視点が内在しています。ややもすると、保護者は一方的に支援を受ける”受け手”として捉えられ、保育者と保護者は「支援する・される」という一方向的な関係性がイメージされがちです。
    しかし、実際の保育では、園と家庭の子どもの姿を保育者と保護者が相互に伝えあったり、保護者をよりよい保育のための重要な資源と捉え活用したり、保護者からの何気ない言葉に保育者が救われたり、決して一方向的な関係性ではなく、相互的な関係性であふれています。
    この”保育者と保護者が相互に影響を及ぼしあっている”ということを量的データから実証しようとするのが本研究です。保護者の園への満足度とその園を職場としている保育者の職務満足度とには関連があるのではないか。また双方の満足度を規定する要因として、保育者と保護者の保育に対する相互理解が欠かせないのではないか。これらのことが実証されることによって、保育者と保護者の連携のあり方や保育者の働き方などについて、新たな知見を提供することができます。
    また、コロナ禍の中、保育現場でもさまざまな対策が講じられています。明確な答えのない中で、各園・各保育者の試行錯誤が続けられています。明確な答えがないからこそ、どのような対策を講じるかということについて、対策の中身よりもその対策について保育者と保護者が共通理解をもてているかが問われるのではないでしょうか。コロナ対策における保育者と保護者の関係性の影響に焦点をあて研究を行うことで、保育者と保護者の連携についての普遍的な知見と合わせて、保育現場に大変タイムリーな知見を提供したいと考えています。
    皆様のご協力をぜひお願いいたします。
  • 上野 公嗣

    上野 公嗣

    ぬくもりのおうち保育株式会社代表取締役会長

    ベビージョブ代表取締役会長

    大阪総合保育大学大学院博士課程 児童保育研究科 児童保育専攻

    私が保育所運営に取り組み始めた2012年頃、待機児童は年々増加していました。

    はじめの園を設立する前に、「どのような保育所が保護者に選んでもらえるか」の聞き取りをしていました。子育て中の友人に連絡し、居住区周辺の人気がある保育所の園長先生を紹介してもらい全国を訪問してまわりました。

    設備が良い園、教育に特徴がある園、食育にこだわる園、様々な取り組みを伺う事ができましたが、共通してこれと言うものはありませんでした。ただ、唯一どの園も「保育士が楽しそうに仕事をしているなぁ」と感じていました。

    あれから9年が経ち、待機児童問題の解決も見え、改めてポスト待機児童の保育所の在り方が問われ始めています。

    どの保育事業者も”地域に必要とされる保育所作り”に一層取り組んでいく事と思います。ただその時に、保護者へのサービス提供ばかり議論され、保育士の負担が増加することは、結果として、子どもにとっても、保護者にとっても価値がないものになってしまう可能性があります。

    私はこの研究を通して、保育士の職務満足と、保護者の保育所に対する満足の関係性を明らかにする事で、これからの保育所が向かっていく方向性を示すことができればと考えています。
  • 城戸 楓

    城戸 楓

    東京大学大学院情報学環
    特任助教

    AIやビッグデータの解析などが発達した近年、データによるエヴィデンス(証拠)に基づいた取り組みが大きな注目を集めています。
    こうしたエヴィデンスに基づいた分析・改革では、「我々の日々の活動が(不当に)低評価されるのではないか」などの懸念を抱く方もおられるかもしれません。
    しかし、データによるエヴィデンスが明らかにするのは、怠慢などの悪い点だけでなく、職務上で保有している暗黙の技能・知識や誰も気づかなかった職務で有効な行いなど、今までスポットが当てられることがなかったポジティブな側面も多分にあります。
    私は保育に関してはずぶの素人ですが、本研究で保育を研究する研究者の方々や、あるいは実際に保育現場で働く方々の取り組みを知る中で、そうした今まで気に求められていなかったとても重要なスキルや行動がたくさんあるのだなと痛感しております。
    こうしたスキル・行動を実際にエヴィデンスとして皆に提示することによって、共に働く保育者の方だけでなく、保護者の方にも、「保育のプロとはこういうことなんだな」と理解していただけるようになるのではないかと考えています。
    体調不良の子どもの様子を発熱や嘔吐に至る前に敏感に察知する、保護者への連絡帳で保護者が施設での自身の子どもの様子を手に取るように想像できるように表記する、子どもの自主的な成長を促すことのできる保育、たくさんのプロとして保育者でないものが真似できない技能を明らかにしていくことによって、保育者の技能の社会的認知や地位向上、保護者の方々との信頼関係の構築などに寄与できれば幸いです。
  • 阿川 勇太

    阿川 勇太

    兵庫医療大学 看護学部 公衆衛生看護学分野 助教

    「なんか先生の笑顔見てるとホッとするわ」
    私が保育園保健師だった頃、いつの日だったか保護者の方にそう言われたことを思い出します。周りを見渡せば、他の保育士も保護者に笑いかけ、皆さんどんどん笑顔になっていきます。
    子どもたちの健やかな成長には、保護者の心身の健康が大きな影響を与えると身をもって感じてきました。また、どんな時も保護者と子どものことを考えながら必死でサポートしている保育士の対応が、保護者の心身の健康に与える影響も大きいのではないかと思います。
    しかし、そんな保育士にも色々な事があります。私は保育園保健師として保育士のメンタルヘルスサポートも行ってきましたが、「笑顔でいることができない」と仰る保育士に幾度も遭遇しました。そこには色々な背景があると思いますが、人と未来を笑顔にする仕事に向き合っている保育士こそ、もっと笑顔でいられるように支援されるべきだと感じました。そうすることで保育士自身が更に保育の仕事を楽しみ、働き甲斐を感じられるようになって欲しいと思います。それがまた子どもや保護者の大きな笑顔につながるのではないかと考えています。
    保育士の方々が「また明日ね」と子どもにも、保護者にも、同僚にも、園にも笑いかけられるように。「また明日も頑張ろう」、「今日もいい仕事したな」と笑顔で帰宅できるように。そのために何が必要なのかを私たちは明らかにしていきたいと思います。ぜひ、皆さんのお力をお貸しください。
  • 小﨑 遼介

    小﨑 遼介

    兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科教科教育実践学専攻 

    生活・健康系教育連合講座(岡山大学所属)

    急速な社会環境の変化や、家族の在り方の多様化は、これまでの保育観に影響を与え、保育者へのニーズは高まるばかりです。そのような状況下で保育現場の先生方は、日々子どもの育ちのために保育を展開されています。
    また、保育者は保護者に対する支援も重要な職務であり、子どもの育ちを家庭と連携して支えていくことが求められています。
    就学以降の教育と異なり、保育では日々保護者と関わることに特徴があります。保育施設において保護者との関わりは、毎日の送迎時や連絡帳、毎月のおたよりや定期懇談などで行われています。そこでは、子どもの日々の様子や保育内容の共有を行い、保育についての理解を得ます。
    そのため、保護者との関わりは、非常に重要な保育業務の一つです。そこで様々な環境下で働く保育者にヒアリング調査などを用いて現状の把握を行い、研究に役立てていきたいと考えています。各場面で先生方が心掛けていることや配慮事項などに研究に反映できるよう努めてまいります。
    本研究では保育者と保護者の関係に着目し、調査を進めております。保育者の働きがいと保護者の満足度との関係について研究をしていくことにより、保育の質の向上に寄与したいと考えております。保育者と保護者の相互の信頼関係を築くことにより、やがては子どものより良い成長へとつながるのではないでしょうか。子どもの健やかな発育・発達のために、そして輝かしい未来のために、少しでも貢献していきたいと考えております。
    ご協力よろしくお願いいたします。